2008年5月23日金曜日

帰国の途へ

 長かったようで短かったサンディエゴ滞在も終わり。前回のシカゴ出張も1週間であったが,ようやく体が慣れてきて,たどたどしくも英語で会話することにも積極的になってきたときにアメリカを離れなければならないのは残念なことである。アメリカに来た当初は,ご飯もおいしくなく言葉が不自由な寂しさから,やっぱり日本がいいなと思うのだが,帰る頃にはアメリカの方が良いなと思ってしまう。

 なぜかというといろいろな要因があると思うが,いい意味でみんな自立しているように思えること。みんな自分の考えをはっきりと述べること。「身分の差」に関係なく,対等な関係でお互い接すること。もちろんアメリカに差別がないということではない。うまく言えないがいろんな人種があるまっているせいか,お互いを尊重する気質があるように思うのである。

 たとえばアメリカでは医師と製薬会社の人間の関係は僕らからみると対等であるように見える。日本では,「あ,先生どうも。」なんぞやたらに下手に出て,おいしい料理で接待したり,過剰に医師をあがめたてまつる傾向がある。製薬会社の皆さんはまるで医師のしもべであるかのようにぺこぺこしている。僕はこういう関係は嫌いだし,自分が医師であったなら相手に卑下されることを良く思わないだろう。

 日本へ向かう飛行機への搭乗口の周りには,多くの日本人が集まってくるが,日本人ばかりの空間は息苦しい感じがする。みんな同じであるがゆえに,なれ合いつつも互いにけん制しあうような関係。英語ができるできないという問題ではなく,日本人は外国人の中にいると閉鎖的だなと感じることが少なくない。

 サンディエゴからサンフランシスコへ向かう機内の中で,隣の20歳ぐらいの白人が話しかけてきた。実は行きのサンフランシスコからサンディエゴへ向かう機内の中でも,白人のおばさんが話かけてきた。日本ではあまりない光景である。賛否両論あるとは思うが,僕はこのオープンマインドさが好きである。

 イラク戦争,アフガニスタン問題。世界の警察たるアメリカの病理はメディアから伝わって来るものの,実際のアメリカ人は憎めない人々である。

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