2008年9月11日木曜日

セリーヌ・デュオンと医師不足


今日は取材が無いので,モントリオールの町をぶらぶら歩いてみる。ホテルのすぐ近くに名所,ノートルダム大聖堂がある。これは何で有名か?1つは,セリーヌ・デュオンが結婚式を挙げた場所としてである。

セリーヌ・デュオンはモントリオールの出身である。昨日,空港からホテルまで案内してくれたガイドさんが面白いことを言っていた。セリーヌはアメリカで活動しているが,それはカナダの税金が高いからというのも1つの大きな理由らしい。カナダは北欧と同じく,医療費がタダである代わりに所得税が高いそうで,しかし皮肉にもそれが医師不足を招いているということだ。つまり,腕のいいお医者さんは税金の安いアメリカに行って稼ぐため,カナダは大都市モントリオールでさえ医師が足らない状況になってしまったらしいのである。「僕は以前骨が見えるくらい深く手を切って,救急外来に行ったんですが,4~5時間待たされました。でも軽い怪我だと,12時間ぐらい待たされることもあります」という。2~3時間の待ち時間で大きな問題となっている日本だが,カナダの場合は次元が1つ違う。

 さて,ノートルダム大聖堂,もちろん宗教施設としても大きな特徴を持っている。見た目は歴史を感じさせるが,出来たのは比較的新しく,19世紀後半のことである。12世紀後半から始まる中世ゴシック建築の様式を取り入れて作られたために,古くみえるのだろう。もともとこの地では17世紀からローマカトリック教会により布教されてきたが,この大聖堂を設計したのは,プロテスタントのニューヨークの建築家であるらしい。他の宗派に対しても寛容なのだろうか。セリーヌが自国に税金を落とさなくても(本当かどうか分かりませんが),快く地元の名所で結婚式を挙げられるのは,その寛容さのおかげかも知れない。

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