最近,夫婦揃って筋力トレーニングを始めた。奥方は太るために,亭主はやせるためにである。
奥方は実に体が細い。そのためか仕事が忙しくなると,腰が痛くなったりし,疲労困憊の様子を呈する。筋肉をつけて,体を丈夫にしておけば,少しは疲労に打ち勝つ力もつくかなという目論見である。
一方,亭主のほうは一時の激ヤセはどこへやら,夏場の食欲減退はどこへやら,腹回りに浮き輪のような脂肪がつき始めた。うつ病に対抗するためにしっかりと食事を取ろう心がけていたのだが,例によって過剰に食べ過ぎたのである。ヤセ時代に買ったズボンがだんだんと窮屈になりつつあり,このままでは服の総買い替えをしなければならない恐れも出てきた。筋肉を増やし,代謝を良くすべく筋力トレーニングを始めた。
スポーツクラブにはヨガ狂もいればエアロビ狂もいる。もちろん筋トレ狂もいて,黙々とトレーニングに打ち込んでおられる。先輩方の一動作ごとに盛り上がる筋肉がまぶしい。我々のような素人オーラ丸出し人間にはなかなか近づきがたい雰囲気である。
トレーニングは二人で交替でマシンを使うことにする。奥方は今まで筋力トレーニングの経験は皆無である。骨と皮の間にちょびっとついている筋肉が,いきなりトレーニングに借り出されて,悲鳴を上げているようで痛々しい。
腕,肩,胸など上半身を鍛えるマシンのみならず,足をトレーニングする機械もある。一通り筋トレコーナーを回ってみた。奥方はどちらかというと,運動面でのなにくそコンチクショーというガッツとは無縁のほわわんとした性格なので,そんなにムキになってやったわけではない。しかし翌日には全身筋肉痛となった。
しかし,奥方も少しは体を鍛えなければならないと思っていたらしく,また筋トレマシーンが案外面白かったようで,継続して続けたいようだった。仕事面でも筋肉をつけて元気を出してもらうだけでなく,嫌な上司にはヘッドロックをかますぐらい強くなって欲しいものである。
the “Tabeyase” diet
15 年前

