大阪出張。大阪駅前のホテルにて取材。夜営業さんとカメラマンさんとで焼鳥屋さんに飲みに行く。
行きの新幹線の中で、奥野修司著「花粉症は環境問題である」(文春新書、2008年)をぱらぱらと読む。花粉症は現代の過剰に清潔な生活習慣、過保護、運動不足、気合いの不足、大気汚染によって引き起こされると半ば本気で信じていたのだが、この本は「花粉症患者の増加は花粉飛散量の増加によってもたらされた」という、至極当然といえば当然の視点を与えてくれる。なぜ花粉飛散量が増えたのか。それは戦後、木材の需要が高まり、国策により成長の早い杉やヒノキなどの針葉樹が広葉樹に替わり大量に植えられたからである。その結果日本の森の多くが針葉樹で埋めつくされることになるが、「自然の」バランスを損ねた結果さまざまな問題が生じることになる。その一つが花粉症である。著者は「大気汚染が花粉症の原因」「寄生虫を駆逐すると花粉症になる」などの俗説を一つ一つ検証し、排除していく。そして,針葉樹の植林こそが花粉症患者増加の原因とし,「国家犯罪」とまで断言する。
新書という制限もあるせいか、論証の極端な部分が散見されるため、あんまり鵜呑みにしない方がよいなという感じはするが、俗説を信じきっていた自分には、いろいろと気づかせられる一冊であった。
the “Tabeyase” diet
15 年前
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